· 

開業に必要な保険「施設賠償責任保険」

介護サービス事業者として指定を受けるには「賠償責任保険」 へ加入が義務付けられています。具体的には、以下のような事故をきっかけとして他人の生命もしくは身体を害する。または、他人の財物を損壊(滅失、破損、汚損もしくは紛失すること等)した場合に、被保険者(この保険契約により補償を受けられる方)が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害に対して保険金が支払われる保険です。

 

賠償責任保険に加入していなければ、指定介護業者になれないばかりではなく、利用者に安心してサービスを提供することできません。しっかりと賠償責任保険に加入して、利用者だけでなく、会社、そして職員を守りましょう。

賠償責任保険でカバーされるケースは、以下のようなものになります。(詳細は、保険会社に確認してください)

 

対人・対物事故

【対象事故】業務遂行中、または遂行の結果あるいは施設の所有、使用もしくは管理に起因する法律上の損害賠償責任

【事故の例】

  • 利用者に怪我をさせてしまった。(利用者をベッドから車椅子に移乗中、 誤って手をすべらせ、利用者がケガを してしまった。)
  • 利用者のメガネを壊してしまった。(職員が、利用者の部屋を清掃中に、 置いてあったメガネを落として破損 させてしまった。)

管理財物

【対象事故】他人から預かった財物(レンタル用 品も含みます)の損壊・紛失・盗取に かかわる法律上の損害賠償責任

【事故の例】

  • 利用者のバッグが盗難にあった(デイサービスで、利用者から預かった ハンドバッグが盗まれてしまった)
  • 借りてきた介護機器を壊してしまった(介護事業に使う目的で、一時的に 借りてきた機器類を誤って壊してしまった)

人格権侵害

【対象事故】利用者に対する自由の拘束や名誉 毀損、プライバシーの侵害による法 律上の損害賠償責任

【事故の例】

  • プライバシーの侵害をしてしまった(デイサービスの利用者について見 知ったことを、ついうっかり他言した ところ、プライバシーの侵害で訴え られた。)

経済的損害

【対象事故】利用者に財産的損害を与えた場合 の法律上の損害賠償責任

【事故の例】

  • ケアプランのミスで経済的な損失を与えた(要介護申請から認定までの1か月 間に暫定ケアプランを作成し、暫定 的にサービス給付を行ったが、計算 ミスなど過失があったために認定 内容と暫定内容に格差があり、利用 者に一部負担が発生したとして損 害賠償請求された。)

事故対応費用

【対象事故】業務上の事故に起因し、支出した必要または有益な事故対応費用

【事故の例】

  • 職員が手薄で、現場が手薄になった(対人事故が発生し利用者が入院することになったため、職員を付き添わせ た。付添いで職員がいなくなる間、代行者として臨時のヘルパーを雇い 入れ給与を支払った ※臨時雇入費用を追加したケース)
  • 訴訟に対応するために、職員に超過勤務手当を支給した(施設内での利用者事故に関して訴訟となり、その資料作成等で職員に超過 勤務手当を支払った)

対人見舞費用

【対象事故】法律上の損害賠償責任が発生しな い身体事故が発生した場合に慣習 として支払った見舞金

【事故の例】

  • 利用者に怪我の見舞金を支払った(利用者が、施設内でケ ガを負った。施設の管 理責任は問われなかっ たものの、慣習として 妥当な額の見舞金を 支払った)